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小説「宵闇の皇子様と明星の皇子様」
3
愛は虚ろなモノ。


だが、時に愛は何よりも、厄介な代物に変わる。



しかし、利害。


それのみを絆として成り立っている以上。


愛が権力を歪ませる事も、愛と権力を=に結び付ける事も、許す事は出来ない。




「ガイ。私は貴方から、愛も情も欲しくない。けれど、だからって、私は惨めな立場に立つ気はないわよ?」


そう言ったマリエッタへガイゼルは。


「約束しよう。愛を囁く相手は数多居るが、共に歩む相手はお前一人だけ、公の場では、お前を優遇すると」


と、返した。




この時より、明確に愛と権力は隔離された。


そして誰が、ガイゼルに愛されようと、マリエッタは後宮の主。



勿論、側室や愛妾達に権力が無いとは言わないが、皇妃の発言力と権力には到底、敵わない。




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