BL小説「虜」
2
沈黙を続けているバイスに、セネガルはニヤリッと口元だけを上げて笑い。
「ん〜…まぁ…今更、そんな心配は無用ですかねぇ…そうなんでしょう?ガウディース家当主バイス・ガウディース様?」
と、言った。
バイスの出方を楽しむかの様な態度を取るセネガル。
そんなセネガルへ、バイスは、深いため息を一つ吐き出し。
「…まったく……。そんな態度ばかりを取るから、私は貴様が嫌いなのだ」
と、答えた。
すると、セネガルはクッククっと、喉を鳴らし。
「酷いなぁ〜…ソレ…オレってば、一度は貴方の‘妻’だった相手ですよ?…バイス様…」
椅子から立ち上がると、バイスの耳元に顔を寄せ、甘く囁く様に言った。
だが、その瞬間、バイスはクッと眉を寄せ、髪に手をやりながら。
「リアーツ。止めろ…私は……貴様と馴れ合う気はない」
と、冷たい声音で言った。
しかし、そんなバイスに、セネガルは愉快そうな表情を浮かべ。
「バイス様。貴方が…いや…あんたが、オレを嫌いなのは…真実だろうがね……馴れ合う気がないなんて…嘘だね…」
と、言った。
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