BL小説「虜」
3
封筒の中に入っていたのは一枚の紙。
書かれていたのは、簡潔な文章。
至急、帰国せよ。
予想外の内容に、眉を寄せたバイスは紙をセネガルへ渡して言う。
「リアーツ。それでは、殿下はどうなる」
この内容では、帰国するのが、一人なのか二人なのかが不明瞭だった。
だが、それを聞いた瞬間に、バイスは愚問だったなと思った。
何故なら、アリファエルも帰国するというなら、この男が此処に居る必要ないのだから…。
そして、紙を渡されたセネガルも、一瞬だけ目を見開いた後。
したり顔で。
「ありゃりゃ〜…まぁ、バイス様が帰国するなら殿下の事は、オレがしっかりお守り申し上げますよ?」
と、言った。
そんなセネガルに、バイスは、先程よりも深いため息を吐きだした。
「はぁ…」
警護の面で、心配する必要な確かにない。
だが、セネガルが何かをやらかしそうで、心配になるバイスだった。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!