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BL小説「虜」
2
「…いっ、痛いよ!ハービィ!」

すぐに、抗議したフィラムだったが、ハービィはもう一度、頭を叩き。


「こんのバカぁ!!良いか?…一度しか言わないから、俺が今から言う事、ちゃんと覚えとけ」
と、言って今朝、起きた事を説明した。












城の下働き達を直接、束ねているのは女官長補佐のサディという老婆。


普段の彼女なら、下働き達が寝泊まりする大部屋になど足を運ぶ事はない。


用があるなら、目に付いた下働きに一言、言付ければ済む話。


多少の年功序列はあれど、下働きには目に見えた差などない。






なのに、今朝方。


まだ夜も明けない内に、彼女はやって来た。


そして。

「急な事だが、我が国に、ガーメイルの皇族の方が来られる事となった。その為、その方らは普段より、倍は気を使って、粗相の無いよう仕事を行うようにな」
と、それだけ言うと足速に部屋から出て行った。


そして、残された下働き達の反応は二つに分かれた。





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