[携帯モード] [URL送信]

BL小説「虜」
3
その考えが分かったのだろう。

「アレに、全ての原因はある。……だが…そなたはアレに、新たな子を作らせる気を起こせなかった」


と、ナーサディナは言い。

更に。
「良いか?身を慎む事だ。本来、そなたの皇妃としての役目は終わったのだからな」


そう言うと、部屋から出て行った。



残されたアデリアーデは、屈辱と沸き上がる怒りにより、身を震わせた。



「…許さない…」


ありったけの憎悪に満ちた声音で、アデリアーデは更に、恨み言を口にした。


「まるで、私だけが、悪者の様な口ぶり…許しませんわよ…」




怒りに狂ってゆく、哀れな女が、そこに居た。






愛を諦められず、未練の果てに、狂ってゆく。



哀れな女。



どうなるのか、それは人には分からない。



ただ……。


星だけが、哀れな女を見ている。



……星は、冷たい光りを放って、女を見下ろす…。





[*前へ][次へ#]

3/39ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!