BL小説「虜」
衝撃
(…おっ?着いたか?)
前を歩いていたフィラムが、足を止めたのを見たハービィは、気付かれない様に、静かに近づいた。
薄明かりの中でも、フィラムが誰かを待ち侘びている事が、手に取るように分かった。
(…何か、幸せそうな表情だなぁ…)
だからだろうか?。
次第に何だか、ハービィはバツの悪さを感じてきた。
確かに、フィラムの事は心配だが、だからといって、尾行するのは、やり過ぎたか?という気にもなってきた。
(…ん…?あっ……)
遠くの方で、枝を掻き分ける音が、ハービィの耳に届いた。
その人物が、誰だか、フィラムには分かっているのだろう。
枝を掻き分ける音がした瞬間、フィラムの顔に穏やかな笑みが浮かんだ。
とりあえずハービィは、その場に息を潜めて、成り行きを見守る事にした。
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