BL小説「虜」 6 『私は貴方を待っているわ…必ず、私が貴方を守るから』 『マリー。ありがとう』 まだ産み月には、遠い。 一体、これからどうなるのか、彼女には分からない。 でも、コレだけは分かる。 三ヶ月後には、もう友は、この世に居ない。 でも、もう悲しみにくれるのは止めよう。 今はまだ小さな命。 例え、母親の命を喰らいながら、育つとしても、私は、この命を守ってゆこう。 『ねぇ、この子の名前は?もう、決まっているのかしら?』 『えぇ……決めています』 『どんな名前?』 『この子の名は……』 この子は死と引き換えにして、この世に最高の愛の形を残して逝く。 それは、あの愚かな弟には、最高の贈り物なのかもしれない。 死は、新たな始まり。 抱く事の出来無くなる貴方の代わりに、私が抱きましょう。 この小さな命を私は必ず、助ける。 [*前へ][次へ#] [戻る] |