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BL小説「虜」
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そんな事もあり、アリファエルの心は、母親である皇妃から離れ、父親である皇帝に、重きを置くようになってゆく。




今や、皇妃アデリアーデという存在は、ガーメイルにとって、猛毒にはなっても、良薬にはならない。


確かに、時として、どんな良薬よりも、政治には毒というモノは必要不可欠。
だが、効き過ぎる毒は邪魔な代物でしかない。



それに本来、ガーメイルの皇妃とは、次代を育む器であり、それを生み出すだけの存在。


通常、その両方を無事に終えた皇妃は表舞台から静かに身を引いて、その後は与えられた離宮で、優雅に過ごす。



だが、皇妃アデリアーデは、そうしなかった。



実家の力を使って、裏で手を回し、今も表舞台に立ち続けている。


望みを叶えるまで、彼女は引かない。





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