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BL小説「虜」
3
当然、アリファエルは何度も、皇妃に抗議した。

周り居るのは、殆どが、世間知らずな貴族の子弟達。

そんな者達ばかりを相手にしても、自身の見聞には繋がらない。

だからこそ、身分の差を考えず、適任者を側仕えに、選んでほしい。


だが、その度。

皇妃は、アリファエルの抗議を捩じ伏せた。


この件に関して、周りの者達は、皇妃の怒りに触れるのが恐ろしかったのだろう。

誰ひとりとして、アリファエルに味方する存在は居なかった。


そんなアリファエルの最後の頼みの綱は、父親である皇帝。


皇帝は皇妃の性格を熟知していた。




良くも悪くも、貴族独特の思想を持つ皇妃。

この件に関して、何を言っても、決して理解を得れないと知っていた。


だから直接、口を出す事はなかった。

だが、稀に皇妃には内密に、お忍びでアリファエルを市街へと連れ出してくれる事があった。



その度、アリファエルへ皇帝は指導者が民の声を知らないのは、恐ろしい事だと、教えた。





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