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BL小説「虜」
初恋…?
またアリファエルは一人で、庭園へと来ていた。


本来、一国の皇太子が他国の城の中で、一人で出歩くのは、容易な事ではない。


だが、また会いたいという強い思いが、アリファエルを動かしていた。


理解不能な感情に、振り回されている自覚はあった。

でも、また会って、あの歌声を聞きたい。


その思いで、アリファエルはそこに居た。






ーガサガサー。

近くで枝が重なる音が、響く。

暫くすると、ひとつの人影が茂みの向こうに見えた。

(…来た)

チラリと、こちらを見た後、相手は歌いだす。

しかし、内心では。
(…なんで…また聞きに来てるの…聞きに来てるのに、なんで踏み越えて来ないの?…)
と、戸惑いと疑問を持っていた。




お互いがお互いに、自分では整理できない感情に、振り回されている。




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あきゅろす。
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