[携帯モード] [URL送信]

BL小説「虜」
2
一方、見られる側の相手も、少し前からアリファエルの存在に気づいていた。


思えば、今日は空気が違っていた。


誰かが居ると告げていた。

そして、歌い出してすぐに、気づく。


自分と変わらないぐらいの歳の人間が、茂みの向こうに居る事を。


その相手は、ただ歌を聞く為だけに、そこに居た。


決して、一定以上は踏み込んでは来ない。


不思議な時間が流れた。




(なんで…歌ってんだろ…?)


誰にも聞かれたくないから、こんな時間に、この場所へ来たのに。


(…多分、昨日も来た子だよね…)


何故か、気を使われている。

そう感じた。


それが不快じゃない自分が居て、不思議な気持ちになって、自然と歌へ感情が入る。




[*前へ][次へ#]

23/25ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!