[携帯モード] [URL送信]

BL小説「虜」
それは驚き
フィラム達が、ガーメイル帝国の首都に着いた頃、セネガルはある手紙を手にしていた。



「………」


手紙を見て、沈黙する母セネガルに、同じ部屋にいた息子であるアレクシアは。

「ねぇねぇ、母さん。何、一人で考えてんの?」
と、声をかけた。


すると。
「あぁ…見るか?」

と言うや、セネガルは手紙をアレクシア渡した。


「ふんふん…ん?……えっ?……」

アレクシアは、渡された手紙を見ながら、その内容と差出人に驚いた。


「母さん」
「何だ?」
「これって…マジな話?」

アレクシアの戸惑いに満ちた声音に、セネガルは笑いながら、答えた。


「真実だ。あの人が嘘を書く事はない」

「…あぁ、そーなんだ」

アレクシアは、心の中で。

(母さんのあの人に対する信頼って、スゴいよなぁ。でも、これは嘘じゃないとしたら、ヤバくね?っか、これって、かなり重要な話だよな?)

と、思った。




その手紙の内容は以下のとおり。





《まず最初に、伝えておく、皇帝の隠し子が皇太子の想い人であるとの情報が入っていたが、今まで、お前には、伝えていなかった。そして、隠し子の件、前帝の耳に入っていたようだ。件の隠し子も、どういった経緯かは分からないが、ルース公爵と共に、ガーメイルへ到着した。リアーツとして、見極めよ。隠し子が皇太子妃として、相応しいかどうかを》


手紙に名前は無かったが、代わりに、ある紋章が刻まれていた。

それは、剣に絡み付く赤い薔薇の紋章。



それこそが、誰あろう太皇太后マリアテレーズの印だ。



「ねぇ、母さん。皇帝陛下に隠し子様が居るならさ、何で今まで、俺がそれを知らなかったの?太皇太后様は、この隠し子様を皇太子妃様にするんでしょ?なら、剣が存在を知らないなんて、許されない」

「………」

アレクシアの問いかけに、セネガルは沈黙する。

「母さんっ!!」

「…そうだな。お前も、もう14だ。知っていい頃だろう」


セネガルは、語りだした。






[*前へ][次へ#]

5/23ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!