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BL小説「虜」
それは驚き
ワインを飲み干し、カウチで、微睡んでいた時、それは来た。


「…マッ、マリアテレーズ様っ」

「一体、どうしたのだ?」

普段は、冷静なガウスの少し慌てた声音に、マリアテレーズは、珍しい事もあるものだと、思った。

その知らせを聞くまでは、冷静でいられた。





「…マリアテレーズ様。リグレ様がお越しです」
「なっ!?…」

「先ほど、来訪の旨を知らせる使者があり、確認している間に、ご到着なされました」

思わず、マリアテレーズは手が震えた。


「…そうか、…リグレ様が来られたのか…」



在位中には、公の場ですら、目も合わした事もなく、突然の退位の後にも、会う機会などなかった。

(何があったのです…アレほどまでに、私を見ぬふりをしてきたのに…)



「ガウス。ここまで、リグレ様をご案内なさい」

「はっ」


ガウスの後ろ姿を見ながら、マリアテレーズは心の中で言った。


(リグレ様…)






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あきゅろす。
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