BL小説「虜」
嘆きと恨み
貴方の視線が、一体誰に向いていたか、私は誰よりも知っていたわ。
だって、私は貴方を誰よりも見ていたのだもの。
悔しかった…。
人知れず、親密に絡み合う二つの視線が憎らしかった。
何度も、貴方に想われるあの人を殺す夢を見た。
私、許せなかったの……。
貴方に愛されて、貴方を愛しているあの人……。
だから、私……誰よりも努力したわ。
貴方の側に在りたくて。
貴方に、ただ必要とされたくて…。
なのに………貴方は、私を否定する。
真に、私を見てくださらない。
貴方の瞳にあるのは、常に、あの人……。
でも、それでも……。
構わなかった。
私だけが、貴方の子を産む……。
あの人に、出来ない事を私はする……。
そう……自負していたから。
なのに!!……。
何故っ!!……何故なの?。
何故、アナタは私の唯一の事まで、奪うのっ!!。
ユルナサイっ!!。
コレダケハ。
ワタクシダケノモノナノヨ。
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