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BL小説「虜」
他人の恋ほど、面白い事はない
カレルカルは、この二人カレンディラとルキウスのこういったやり取りを見るのが好きだ。


(笑えるねぇ、ルキウスよぉ。お前、照れてるからだろうが、そんな態度じゃ、後で絶対に、後悔するぞ。だから、いつまでも、カレンディラへ告白、出来ねぇんだぜ?カレンディラは自分の事には疎いしなぁ)

こういう場合、年長の自分が動いてやれば、簡単に事態は動くと、カレルカルは知っている。


だが、カレルカルは動かない。

見ていて、面白い。

というのも、理由にあるが、一番大事なのは自分が動く事だからだ。


恋とは戦と似ている。


動かなければ、いつか負けてしまう。

勝負とは時間が肝心。


それを心情としているカレルカルを人は、恋多き公子と呼ぶ。

幾つもの美しい花を愛で、蜜を舐めるカレルカルには、カレンディラとルキウスの幼さが眩しく写る。

二人のやり取りは、微笑ましいのだ。


初恋に戸惑って、意地悪く返してしまうルキウスと、それが分からず、応戦してしまうカレンディラ。



しかし、今日はもう止めなければならないだろう。


何故ならば、こちらに近づく3つの足音を感じたからだ。




「おい、もう止めな。殿下が来る」

「「えっ?」」

同じタイミングで、そう言った二人に、カレルカルは笑みを浮かべる。





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あきゅろす。
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