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BL小説「虜」
盾の娘であるからこそ
カレンディラ・タルラ・ルース。

彼女は聡明で、時に毒舌だが、基本的には優しい心を持った少女だ。

そんな彼女が知りたい事とは、二年前のある事が関係している。




カレンディラは、何故、周りは私を未来の皇妃にしたいのだろう?。

私では、無理なのにと、考えていた。


利を得たいと考えて、皇妃になれと、そう言う者は煩わしいが、どう言えば、引くか分かる。

問題なのは、皇太子アリファエルを心配し、皇太子妃になり、ゆくゆくは皇妃となってくださいと、そう言う者達。


廃妃を母に持つアリファエル。

アリファエルの未来を明るい物にするには、カレンディラという存在は魅力的な存在。


国での発言力も、財力も、四大貴族の一翼、ルース家の姫君ならば有している。


だが、カレンディラは知っている。

皇太子アリファエルには、心に決めた思い人が居ると。


二年前、あの二つの騒動が落ち着いた頃、カレンディラは、アリファエルから、内密に話があると、呼び出しの手紙を受け取った。


受け取った時は何故、呼ばれたのか?と、カレンディラは考えたが、答えが見つからずに、その日を迎えた。





そして、ある夜、指定された場所に行くと、そこには既に年の頃は、17〜8に見える青年とカレンディラと同い年ぐらいの少年が居た。


「おっ?よぉ」

と、声をかけて来た青年の名は、カレルカル・パルパ・ガウィン。

「なんだ。君も、呼ばれていたのか?」

そう言った少年の名は、ルキウス・ターナー・カーマイン。


「カル様、こんばんは。ルキウス、私からしたら、貴方も呼ばれたの?と聞きたいわね」

軽く会釈して、そう返すカレンディラに、カレルカルは笑って、ルキウスは、ムスッとした顔をした。

「カレンディラ。君は相変わらず、可愛くない言い方をするな」

「あら、そうよ。知らなかったかしら?」

そこからは、少しの間、二人の嫌みの言い合いになった。

カレルカルは、そんな二人をただ見ていた。

ニヤニヤっと、笑いながら。

ルキウスとカレンディラ。
この二人、昔は仲の良かったのだが、ある時期から、ルキウスがカレンディラを避けるようになり、それからも様々な事があった後、今のような嫌みの言い合いをするようになった。




まぁ、そうなった原因の1つはルキウスの初恋が、カレンディラだからだが、聡明なカレンディラも、自分の事には疎く、いきなり、ルキウスが自分を避けて、嫌みを言うようになったと、そう簡単に考えている。




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あきゅろす。
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