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BL小説「虜」
3
この二年の間に、二人の少年が、アリファエルの側近になった。


一人は、クレアシア・ディーン・ガウディース。

もう一人は、アレクシア・ディーン・リアーツ。


その名が示すように、二人の親は皇帝に仕えるバイスと太皇太后に仕えるセネガル。


二人は瞳の色と髪の色が違う以外には、瓜二つの双子だが、その性格は似ていない。

クレアシアは穏やかで、真面目な優等生タイプ。

だが、アレクシアは活発で、やんちゃ坊主というタイプ。


端から見れば、水と油だ。

しかし、二人は性格が全く違うのに、とても、仲の良い兄弟。





二年前、力を求めたアリファエルは、後ろ盾となった曾祖母マリアテレーズに、こう願った。


自分の手足となって動く存在が欲しいと。


すると、すぐにリアーツ家の世継ぎであるアレクシアを紹介された。




本来なら、リアーツの世継ぎは、皇太子の側に居る様な存在ではない。

リアーツ家は、代々に渡り、当代の皇帝の妃に仕えてきた。


だが、今は事情が違う。

現在のリアーツ家は、先代の妃たる皇太后にも、廃された前皇妃にも仕えなかった。



そこには、様々な理由がある。
分かっているのは、今、太皇太后の剣として、リアーツ家が存在しているということだけ。



時として、リアーツ家の者は、主の為に己の手を血に染める。

しかし、アレクシアの性格は、とても明るい。


陰謀と策謀に満ちた家に生まれながら、アレクシアには、影が無い。


反対に、クレアシアには影がある。


アレクシアが側に付くようになって、すぐの事、バイスが息子クレアシアを側に付けて欲しいと言ってきた。


アリファエルは、その話を受け、すぐに了解した。


力と人手は無いよりは、有る方が良い。



ガウディース家の者は、皇帝の剣として、その生涯を生きる事が義務付けられている。





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