BL小説「虜」
2
フィラムの事をアリファエルは、この二年間、片時も忘れた事はない。
会えない時間の分だけ、想いは募る。
アリファエルは、その想いの為に、茨の道を選んだ。
共にある為に、自分で、未来を選択する為に、この二年間、がむしゃらにやってきた。
だが、まだダメなのだ。
まだまだスタートライン。
これからが、始まりなのだ。
後ろ盾となった太皇太后との密約。
だが、それを叶えるには、アリファエルに、まだ力が足りない。
密約を叶える事が出来たなら、アリファエルは自分の幸せを得る事が出来る。
「フィラム。待っていて欲しい。必ず、会いに行くから」
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