BL小説「虜」
想い
フィラムから贈られた刺繍入りのハンカチを手に、アリファエルは、想いを馳せる。
拙いながらも、それに込められた相手の想いは確かなもの。
「フィラム。待っていてくれ」
アリファエルは、太皇太后とある密約を交わした。
だが、それを確かなものにする為には、かなり時間が必要である。
しかし、その密約を成功させる事が出来たなら、アリファエルは望みを叶える事が出来る。
だから、どんなに時間が掛かっても、アリファエルは諦めないと心に決めた。
アリファエルは徐々にだが、フィラムへ向ける自分の感情を理解し始めていた。
アリファエルにとって、フィラムは何よりも、大事な存在。
幸せな未来を手にする為に、歩む覚悟を決めた。
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