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BL小説「虜」
淡い気持ち
フィラムは、アリファエルから貰ったナイフを見ながら思った。



「頑張って作って良かった」

物が嬉しいのではない。

自分の頑張りを認めてくれたことが嬉しかった。


アリファエルは慌ただしく帰国してしまったが、これがあれば寂しくない。



と、そうとも同時に思った。


「アリー。何してるのかなぁ」



ナイフの柄を触りながら、遠い空の下にいるアリファエルに思いを馳せた。








アリファエルを思い出すだけで、フィラムは幸せな気持ちになる。






だが、同時に胸が苦しくなる事もあった。







自分の気持ちの正体に、フィラムはまだ付かない。



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