BL小説「虜」 太皇太后と皇太子 そして、マリアテレーズがアデリアーデの罪を隠蔽してから、幾許かの月日が経った。 だが、足掻いた末に、アデリアーデは廃妃となった。 自室で、まどろんでいたマリアテレーズの元へアリファエルは帰国してすぐ訪れた。 「皇太子。私の元に、何の用で来た?」 太皇太后としての存在感と威圧感を感じさせるマリアテレーズに、アリファエルは怯むことなく。 「太皇太后様。貴女とお話がしたいと、そう思いまして」 と、答えた。 すると、マリアテレーズは淑女にあるまじき行為だが、喉で笑った後。 「クックク…面白い事を言う。私とお前が話をすると?一体、何の為に?」 と、言った。 [*前へ][次へ#] [戻る] |