BL小説「虜」
2
皇子の遊び相手を一人紹介して欲しい。
その申し出は、三ヶ月も前に、リーフへと届いていた。
その為、リーフ国内では、唯一の皇位継承者の遊び相手に誰を紹介するかで、大いに揺れた。
ある大貴族は野心に燃え、自分の孫を推挙した。
ある大臣は王の末の王子を推挙した。
また、ある大臣は見目の良い自分の小姓を推挙した。
だが、議会での一ヶ月に渡る話し合いは決着が付かなかった。
どこまでいっても、平行線。
その結果。
最終的な判断は王一人に委ねられた。
あちらを立てれば、こちらが立たず、こちらを立てればあちらが立たない
そんな状況の中。
王は議会で、推挙された子供全員を一日置きに、皇子に合わせて、最終的な判断を皇子自身にして頂こうと、そう決めた。
これなら余計な波風は極力、起きないだろうと、この時は皆がそう思った。
しかし、用意された候補者を皇子は、誰一人として気に入らず。
それどころか、日が経つ事に、皇子の機嫌は降下していった。
「つまらんな。…あの者等は手段は違えど、私に媚びるばかり。一体、なんの考えがあって、父上は私をこの国へ留め置くのだろうか」
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