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BL小説「虜」
罪を知る存在
老いて尚、その美しさを損ねぬ女。


その名をマリアテレーズ。


ガーメイル帝国の太皇太后という皇帝に次ぐ権力を持つ地位にある彼女だが、それまでの道程は決して楽なモノではなかった。


掴みかけた幸せを無残にも踏みにじられた時から、彼女は長い間、屈辱に塗れた日々を送り、望みもしない子を産まねばらないという現実を二度も、経験した。




だからこそ、彼女は権力という名の武器を手にした時、変貌を遂げた。





ガーメイル国内の情報で、マリアテレーズの耳に入らない情報はない。


ある時、マリアテレーズは今や、廃妃となったアデリアーデが犯した罪を知った。

その事情を知った時、マリアテレーズは。


「アハハハっ…馬鹿な事をしたなぁ。なんて、愚かしい女だろう」

と、嘲りが混ざった高笑いをして言った。




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