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BL小説「虜」
曾祖母と曾孫
アデリアーデが廃されてから、数日後。


アリファエルは、その報を聞いた。



(…母上。貴女の望みは絶たれましたね)






「殿下。ご帰国なさいますか?」

静かに、そう問うて来るセネガルへアリファエルは言う。


「あぁ…だが、その前に確かめねばならぬ事があるからな。リアーツよ」
「はい。何でしょうか?」

アリファエルが今、確かめたいのは母という後ろ盾を失った後の事でも、自らの今後でもなく。


ましてや、母の心配でもない。




「リアーツ家当主のそなたに問う」
「はい」
「太皇太后様は、お元気でお過ごしか?」

その言葉を聞くや、スッと細められたセネガルの瞳。


「…何故、それを私にお聞きになられます」

仕えている相手に対して、有り得ない事に冷めた声音で、セネガルは返してきた。

そんなセネガルに対して、アリファエルは冷静に言う。

「私が知らぬと思うてか?ガウディースが皇帝の剣である様にリアーツは皇太后の剣であろう?」


世継ぎを産んだ皇妃に、その時には本来なら何の権利も、権力も無い。


だが、我が子が皇帝となり、自らが皇太后となった時、彼女達は比類なき力を得る事が可能となる。


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あきゅろす。
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