BL小説「虜」
来訪者
ガーメイルの皇族が城へやってきた日、フィラムは見物客の長い行列の中にいた。
ガーメイルの皇族が来た日は下働き達の数少ない休日の日だった。
リーフ国にあるどの馬車よりも、華やかでありながら、端から見ても確かな耐久性があると分かる頑丈な作りの馬車。
その中には、一人の美丈夫と自分とそう変わらない年代の子供が座って居るのが見えた。
二人の来ている服は遠目に見ても、高級と分かる素材で、出来ていて。
あぁ、あの子は、自分とは住む世界も、立場も違うんだなと、改めてフィラムは思った。
後で知ったが、子供の名はアリファエルというらしい。
ガーメイル現皇帝の皇妃が、産んだガーメイルでただ一人の皇位継承者。
そして、アリファエル皇子の隣に並ぶ美丈夫は、ガーメイル帝国第一師団団長バイス・コンフィーツ・ガウディースというらしい。
噂好きの下働き達からの話では、皇子の今回のリーフ国への訪問の理由。
それは、皇子の遊び相手を見つける為だという。
遊び相手なら自国にも、候補は沢山いるのだが、何でも、ーメイル皇帝の強い推薦により、リーフで、探す事になったらしい。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!