BL小説「虜」
3
弱音を吐きながらも、この時のセネガルは未来に夢を抱き、幸せの最中に居て、何事もなければ、数年後には華燭の典を挙げる予定だった。
二人が幼い時から夢見たささやかな幸せに満ちた未来。
だが、運命とは……。
時に、残酷である。
この時より先、度重なる不幸が二人に起き。
その為に、二人が願った未来は、バイス25歳、セネガル23歳の時、叶わぬ夢となる。
死が二人を分かつまで、共にあり続けようと誓い合った。
だが、二人はそれを破棄し、決別の道を選ぶ。
セネガルは虚飾に満ちた道を歩む決意をし、バイスは贖罪の道を歩むと決意した。
己の心を偽り、己を抑え。
生きる事を決めた二人。
しかし、この時のセネガルは、そんな未来が来る事など知る由も無い。
「はぁ…上手く、出来る自信がないけど…やるか…」
そう呟き、投げ出しそうになった縫い物を再開しようとして居た。
まだ未来を疑う事など無かった。
幸せになれると、信じていた…。
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