BL小説「虜」
4
突如、サーナディナの事を思いだして、眉を寄せたハービィに、フィラムは聞く。
「…そんなに大変?」
不安そうな顔をするフィラム。
「まぁ……お前はまだ皇族方の所へは配置されないから、心配すんな」
ハービィは、そう柔らかい笑みを浮かべて、安心させようと、今度はフィラムの頭を優しく撫でた。
すると、今度は。
「じゃ…ハービィ達は大変?」
と、聞きいてきた。
そんなフィラムに、ハービィは苦笑いを浮かべて、答える。
「……まぁ、仕事だから…な」
「そっか……あっ!いけない。ランテスさんから、台所掃除を頼まれてたんだった…。ハービィ!僕、もう行くね」
言うなり走り出そうとしたフィラムへハービィは。
「急いでるからって、転ばない様にな!」
そう声を掛けた。
「うん!分かってる〜!」
そう答える後ろ姿を見送りながら、ハービィは内心で、呟く。
(さぁて、今度は誰が来るのやら…でも、なぁ〜んか…やな予感がすんだよなぁ…)
この時、ハービィは何も起きないでくれと、心の底から、そう思った。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!