BL小説「虜」
3
これが…。
ボクの感じてる今の気持ちが、何の感情なのか、ボクには、よく分からないんだ。
分かるのは、この手を離したく無いってことだけ。
茂みの先に居る彼。
彼は、ボクの身分からいえば、雲の上どころか天の上の方。
アリファエル皇子殿下。
本当なら、気安く触れて良い相手じゃないし、話し掛ける事だって、恐れ多くて、視線だって合わせてはいけない筈なのに…。
分不相応の望みは抱いちゃいけないのに。
ボクは、アリーと会う事を止められないんだ。
だって、ボクは日の当たる時間には、アリーの側に寄れない。
夜のほんの僅かな時間しか、会えない。
だから早く、夜になって欲しいと望んでしまう。
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