小説「召喚と召還の結末」
8
眼前の地獄の光景に、小刻みに身体が震える。
しかし、その震えは恐怖の震えではない。
歓喜の震え。
血なまぐさい臭いと絶えず響く断末魔の叫び声。
それらがもたらす、実感。
此処が生と死が交差する場所だという実感。
そこから先、その実感を確かなモノにするための戦いが始まる。
弱き者は強き者に虐げられる。
強くなること、それは生きる為に必要なこと。
一度は世界から拒絶され、生きる縁も失った。
光が自分を見放すというならば、この身は闇に委ねよう。
一部の者にとって、この世は狂った世界。
ならば、その者を受け入れられる場所を作ろう。
決して、虐げられる事のない。
安心できる居場所を作ろう。
与えられる側から、与える側へ。
さぁ、歩みを始めよう。
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