小説「召喚と召還の結末」 7 この世界の一面。 それは残酷。 扱いを間違わなければ、気狂いなど、簡単に使い捨てる事の出来る存在だと、この世界の殆どの者もが、そう思って生きている。 その事に関して、疑問すら抱かない。 だが、ブラックは違った。 気狂いは、本当に制御出来ないのか?。 本能で動く人間を上から押さえ付けるから、言う事を聞かないのではないか?。 飴と鞭。 これの使い方さえ間違え無ければ、気狂い達は立派な戦力になるのではないか?。 そんな疑問と考えがブラックの中に浮かんでいた。 しかし、それには何の確証もない。 理論だけでは意味がない。 理論を確立するには、それなりの証拠が必要であり、それを得る為には行動に出る必要があった。 自分は一度、全てを失っている。 今更、何を畏れる必要がある?。 と、開き直りにも似た気持ちからブラックは躊躇う事をしなかった。 それに…。 ブラックは、自分が死ぬ筈がないという自信もあった。 だからこそ、気狂い達が戦う最前線へと、赴く事をブラックは、志願した。 その行動は、周りからは無謀だと、功を焦る馬鹿だと、嘲りを受け。 死にに行く様なものだと、言われた。 だが、誰もそれを本気で止める訳ではなく、程なくして、ブラックは戦場に立つ。 そこは、秩序など無く、命令すら曖昧な場所。 居るのは、本気の赴くままに戦う気狂い達と死を望む者達。 [*前へ][次へ#] [戻る] |