小説「召喚と召還の結末」
分岐点
兄貴肌でリーダー役の友騎（ユウキ）。
優しいが、少し気弱な龍斗。
喧嘩早く、生傷の絶えなかった四季。
この三人は幼い頃から、ずっと、一緒だった。
幼稚園。
小学校に中学。
そして、高校。
憧れの高校に三人で通う為に、三人は必死で勉強をした。
でも、せっかく受かったその高校の真新しい制服に、彼等が身を包んだのは、僅かな日々。
あの日。
あの時………。
あの雨の日。
彼等の運命は動き出す。
ある者には残酷が…。
ある者には幸福が…。
ある者には絶望が…。
不公平に降り懸かる。
後に、全てを知り、全てを怨み、徹底的に抗う事を決めた者。
全てを知り、全てを受け入れ、静観した者。
全てを知らず、誰かの描いたシナリオ通りに生きる者。
ある者は、生きる為に、剣を取り…。
ある者は、守る為に、戦う道を選び…。
ある者は、変える為に立ち上がった。
結果。
一人は死に、一人は生き残り、一人の生死は不明。
一人は人々の喝采の中。
一人は血貯まりの中。
片方には、残酷な現実。
片方には、幸福に満ちた現実。
なんて、不条理な世界。
残された一人にあるのは。
生き地獄。
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