小説「召喚と召還の結末」
2
ーペチペチー
「あぁ〜」
あれから飽きる事なく、赤子は男の顔を触っていた。
男は泣かれるよりは、マシかと赤子の好きにさせていた。
そして、顔を触られている間、腕の中の赤子を男は観察した。
まず、目につくのは髪の色。
瞳の色が、一般的なグレーなのに対して。
まるで、闇そのものを具現化さた様な漆黒。
それは、この世界では珍しい色だ。
しかし、この赤子の‘母’である女の髪の色は深緑。
では、この色は人間である父親譲りという事かと、男は思った。
そして、フッと男は、この赤子の父親。
あの女。
あのセラスティーアを抱いた男とは一体、どんな男なのだろう?と、少し興味を持った。
食欲よりも、愛情を選ばせる程の男。
その男に会ってみたいと、思った。
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