小説「召喚と召還の結末」
子守
『しかし、アレは何とも、大雑把な女だ』
自分は、雄である。
故に、合いの子とはいえ、これぐらいの赤子が何を食べて、何を飲むかなど、全く知らない。
今は、寝ているから良いが、起きたら腹も減るだろう。
悩む所だ。
「ぅ〜…」
しかし、そうこうする内に、赤子は眠りから覚めた。
「あぁ〜」
キョロキョロと辺りを見回して、明らかに誰かを探す赤子。
「ふっ…うぅ……」
しかし、見える範囲に目当ての人物。
自分の母親が居ないと知り、涙目になる赤子。
このままなら、数分で泣き出すだろうと、推察出来た。
男は、赤子を抱き上げ言った。
『これ、泣くでないわ』
「うぇ…」
自分を抱き上げた男を不思議そうに見上げる赤子。
紅葉の様な手が、遠慮なく、男の顔に触れる。
ーペチペチー。
「きゃぅ〜」
『なんだ、我の顔に触って、楽しいか?』
「きゃ〜」
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