小説「召喚と召還の結末」
押し付け
『それなんだけど、貴方に、この子を少しの間、預かってて欲しいの』
≪なんだと?≫
突然の事に、固まった。
だが、女は構わず続けた。
『二〜三日の間だけだから、お願い』
そう言って、赤子を押し付け。
≪待て!!≫
『その子、雑食で何でも食べるから、よろしくね』
止める間もなく、消え去った。
後に残されたのは、自分とクークー寝息を立てる赤子。
≪全く、他者の意見を聞かん奴だな。とりあえず、この身体ではマズイか≫
その言葉と時を同じくして、光りが辺りを包む。
光りが消えると、そこには赤子と赤子の側に立つ一人の男。
『うむ、久しぶりに、この形を取ったな』
男は、自分の手を軽く動かして、動作の確認をした。
『さて、どうしたものだろうな』
母親に置いて行かれた事が分かる筈も無い赤子。
それを押し付けられた自分。
厄介な事態だ。
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