小説「召喚と召還の結末」
3
今まで、この女に一体、何人の男が惑わされ、喰らい尽くされただろうか?。
妖艶なる補食者。
セラスティーア。
時に、自らが産んだ子供すら、気まぐれに喰らった女の口から‘愛’という言葉を聞く日は、永遠に来ない。
そう思っていたのに、変われば変わるものだと、感じた。
嘘を言っている風ではない。
第一、この手の嘘を言える女ではない。
目の前に居る友は、良くも悪くも、自分に正直な女だからだ。
≪それで、何しに来た?まさか、ただ見せに来ただけじゃあるまいな?≫
『あのね、ちょっと困った事になったの』
≪困った事?≫
『えぇ、カスティアーデが人間に倒されたのは、貴方も聞いたわね?』
≪あぁ、風が運んできた≫
カスティアーデ。
それは魔物達を統べし王の名。
だが、その存在を人は魔王と呼ぶ。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!