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小説「召喚と召還の結末」
決断
これは、『ヒュプノス』からの彼等なりの意思表示。

これを無視した先に末のは、今よりも最悪の事態。


このままでは、敵だけでなく、血と戦いに飢えし、戦狂い達に、国を蹂躙される事になる。


もはや、あるのは惨劇だけだろう。


すると、ここで王の揺らぎを感じ取ったカリスが。

「パース。貴方は、団長の所に、戻りなさい。そうすれば、もっと、好きなだけ遊べますよ?」
と、兵士達を一方的に、弄ぶ侵入者たるパースへ言った。


団長という言葉に、パースの動きが一瞬だが止まる。
「団長〜?キャハハ…」
「えぇ、あなたは、戻るだけで良い。そうすれば、また遊べます。王様、宜しいですよね?」
鋭い視線が、王へと向けられる。

ここで、否と言うほど、王は馬鹿ではなかった。

「良かろう。そなた達と契約しよう」

その途端、恐怖から腰砕け状態だった臣下から、反対の声が上がった。

だが、その声も。

「黙りなさい。あなた達は今、ここで死にたいのですか?喚くだけなら、馬鹿でも出来ます。良ければ、この私があの世とやらに送って差し上げましょう」
という、カリスの言葉と突き付けられた刃により、綺麗に止んだ。




そこには、戦狂いとは、種類は違うが、確かな狂気を内包した人間が立っていた。


それを素直に恐ろしいと、王は思った。


だが、そんな彼等も、ただ一人の命令には、素直に従うのだと、思うだけで、妙な感覚に陥る。


彼等『ヒュプノス』の戦狂い達は完全に、己の気が触れても、従うべき者の声に、従うべき時は従うのだという。


この世で、唯一『ヒュプノス』団長ブラック・ラースだけが、気狂いを完全に統率する事が出来る。


一旦、己が本能のままに戦えば、誰の声も届かない筈の気狂い達に、ブラックの声は届く。


彼等は、その存在を感知するだけで、途端に大人しくなるという。





「今や我が国は破滅に向かって歩んでいる」
「存じております。だからこそ、我等『ヒュプノス』が此処に居るのです。我が主の望むままに」

この目の前に、居る使者を統べ、あの気狂いをも、その手中とする男。


ブラック・ラース。


静かに、そして確実に、何かが、回り始めた事を王は、感じていた。








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あきゅろす。
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