小説「召喚と召還の結末」
黒きモノと少年
その場に居たグレイブ以外の者全てに、原始の頃より刻まれた恐怖が蘇る。
その場に居た彼等が目にしたモノ。
それこそが…。
「ピナ。こいつら、目障りだなぁ…」
≪よかろう…我が主の望みのままに…≫
瞬間、新たな突風が巻き起り、五人の男達を運び去った。
耳障りな叫び声が遠ざかる。
この後、彼等を見た人間は誰も、居ない。
黒光りしたその存在は、主を怒らせた者を生かすという選択肢が、最初から無かった。
一先ず、主を汚す存在を消した事で、黒光りしたそれは、今の状態を主たるグレイブに、聞く。
≪ところで、主。ここは、何処だ?≫
「えぅ〜…現在地は分かんなぁ〜い。一様、サザーラン王国って、所の街の中だけど……」
≪ならば、主。あやつらに、聞けば良かろう≫
いきなり、話を向けられた二人は、震えが止まらなかった。
「ねぇ、聞きたいんだけど、ここ何処?」
彼等にとって、無邪気に、聞いてくる少年には、悪いが少年の背後に陣取るソレには、恐怖しかない。
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