小説
近頃の貴方
こんにちは。
悪魔のような、甘い微笑み。
ツンデレを目指す骸です。
僕は最近、どうしても不満なことがあって、今、綱吉君のお宅にお邪魔しています。
いつもなら侵入する僕ですが、今日は真剣なお話なので、きちんと玄関からお邪魔しました。
綱吉君は都合の良いことに、まだ学校から帰っていないようです。
「で?珍しく俺に用があるらしいな、骸。」
目の前にはアルコバレーノ。
なぜって?
すぐに分かりますよ。
「用というよりも、お願いに近いかもしれませんね。」
「お願い?」
「そうです。」
そして僕は言った。
「綱吉君に死ぬ気丸を使うのをやめさせて欲しいんです!!」
「嫌だ。」
「即答ですか!!?」
「テメーのことだ。どうせツナの裸体や下着姿が見たいだけだろうが。今なら見逃してやるから、ツナに聞かれる前に黙って帰れ。」
「俺に何を聞かれるの?」
「「!!!!」」
後ろを振り返ると、そこには麗しのエンジェル、綱吉君の姿が。
「よ、ようツナ。帰ったのか。」
「ぉおお帰りなさい、綱吉君。」
「ただいま。で?俺に何を聞かれるの?」
綱吉君の顔に笑みが浮かんでいますが、目が全く笑っていません。
おや?冷や汗が止まりません。
素直に白状したら、間違いなく意識を持って行かれる程の、素敵パンチをお見舞いされる僕。
なんとか、この場をやり過ごさなければ…!
「…骸がお前の下着姿が見たいから、死ぬ気丸の使用を止めるように頼みに来たぞ。」
ァァアルコバレーーノォオオ!!?
表情には、「黙ってると俺の身もヤベーんだ骸、悪いな。」という哀れみ。
だからって…ごまかすとか…あるじゃないですか……
「骸。」
「クハヒィ!?」
体がビクリと跳ね上がる。
思わず変な悲鳴が漏れました。
「そろそろ輪廻巡りも飽きたろ?」
「…ぁ、ぅ、つ…つな、綱吉く…あの、何でします、から。その…」
「堕ちろ、この腐れ果実がぁああ!!!!」
素晴らしい腰の回転。
そして腕の振り。
完璧な右フック。
首が引きちぎれるような錯覚。
耳の奥で、ビキビキっと何かが切れる音。
すごく………痛いです。
最後、視界の端には痛々しそうに目を逸らすアルコバレーノがいました。
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