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小説
誕生日会議in黒曜
もうすぐ、10月。
そう思うと、落ち着かないこの頃。

「さっ、第一回!!綱吉君の誕生日会議を始めましょう!」
「第一回?君が存在するだけでも不快なのにあと二回も三回も集まって話し合いをするつもりかい?冗談はパイナップルだけにしてくれないか。」
「どういう意味ですか。おや、おかしいですね?涙腺が反応してます。」
「む、骸さん!泣いちゃ駄目だびょん!!」
「流石、雲雀 恭弥。骸様のウィークポイントを的確についてくる。会議が無事に終わる気がしない…はぁ……」

そう。
もうすぐ愛しい恋人。
可愛い可愛い綱吉君の誕生日です。

なにかしら祝ってあげたい僕は、不本意ながら雲雀君に助言を頂こうと思ったわけです。

同じ学校に通う者なら、なにかしら情報を得られる可能性が高い。
しかも並森を牛耳る彼ならもっと、その可能性は高まる。

じゃなきゃ誰がこんな輩をテリトリー内に招くものか。

あぁもう!!
忌ま忌ましい!

「さて早速。単刀直入に、綱吉君の好みなどは知ってますか?」
「パイナップル。」
「………」

殺ってしまおうか。
むしろ犯ってしまおうか。

「冗談だよ。気持ち悪いこと考えないでくれるかい?」
「そうですか、良かった。僕も前者なら喜んでやりますが、後者はね。」

ふー、すぐ頭に血を上らせるのは良くありませんよね。
雲雀君を相手にしている時点で覚悟は決めていたはずでしょう、僕。

「誕生日プレゼントなんて、あの草食動物のことだよ?君が選んであげた物なら何だって喜ぶに決まってるじゃないか。」

雲雀君が眉を寄せながら言った。

「そうは言いますが雲雀君。やっぱり望みの物をプレゼントしてあげたい、という想いが分かりませんか。」
「さぁ?関係ないしね。」
「まったく!!それじゃあ君を呼んだ意味ないじゃないですか。」
「勝手だね。君が呼んだから僕は来ただけ。僕には何一つ非はないよ。ただ…」

雲雀君はゆったりと立ち上がると踵を返す。

「物にこだわるのは馬鹿げてるとは思わないかい?貢ぐんじゃなくてプレゼントするんだろう?」
「………」

そう言うと、彼はさっさと帰っていった。

「…参考になりましたか、骸様?」

千種が後ろから問い掛ける。

「クフフ…そうですねぇ。悪くはなかった、かもしれません。」

さて、これでプレゼントは決まりましたね。
後は日が経つのを待つだけです。

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