Honey Flower(本編+SS)
3
合わさった膝を手のひらで少しずつ割広げて、脚の内側を撫でてやる。
「くすぐったい? 菫、だんだん熱くなってきた」
耳元から、強いスミレの香りが漂いはじめる。
『花』が心を許した証が、雲英の鼻腔をくすぐった。
「…ふ、ぅん…きらぁ…」
一番感じる場所に触れてやらずに、内腿をするすると愛撫する。
きめの細かい肌が、しっとりと汗を帯びて。
もどかしそうに、細い腰が揺れはじめた。
「いやらしいな、菫は。こんなに小さい体なのに、強請ってきたりして」
「雲英がっ…やらしー手つきで触るから…」
顔を真っ赤にして、たどたどしく弁明してくるのを、雲英は意地悪く受け取った。
「ごめんごめん、俺が悪いな。触るのやめるか」
「なんで…やだ、やめないでよぉ…」
可愛い菫。
いくらでも君の言う通りに。
開いた下衣の前ファスナーが、ちりと硬い音を立てて開いた。
藤色の下着のスリットから指を差し入れて、白濁を垂らした可愛い欲に触れてやる。
「ひっ…ん、雲英っ…」
指が、滲んだ白で滑って、恥ずかしい水音を立てる。
しんとした雲英の部屋で、くちゅ、と繰り返す水音と、菫の乱れた息の音だけが響いている。
「気持ち良い? 言えよ、菫」
「や、言えな…、ん!」
もう片方の手も下着にもぐり込ませて、『花』の蜜をこぼす最奥へと進めた。
密やかに閉じた口には、すでに蜜が滲みでている。
掬いとって、閉じた口に塗りつけるようにして指の腹を動かすと、菫は涙をこぼして鳴いた。
「そこヤダ、恥ず…っ…」
耳元から香る、熱いスミレの香りに酔う。
むせかえすほどに甘い香りを吸いこみながら、雲英は幼いながらも熱を持った欲情の徴を、手と指で攻め立てた。
白濁を溢れさせるそこは、雲英の手淫に翻弄されていて。
菫の体すべてを快楽に沈め、やがて堰を切る。
「や! あ、だめ、なんか出ちゃ…ぅ…あ」
瞬間、雲英はまだ何物の侵入も許したことのない、蜜に濡れそぼる最奥に、指を進めた。
「ひぃっ…う…」
体をくの字に曲げて、俯いた菫の顔から床へ、涙粒が落ちていく。
指をつつむ肉が、熱くうねって、大きく締めつけてくる。
中に入れば、溶かされるかもしれないとよぎった。
前を握り込んだ手の内に、熱い迸りがこぼれていく。
「…は、ぅ…っ」
かたかたと震える菫が、かすれた声で「きら」と呟いた。
傘を叩きつける雨の下、雲英は菫の案内で幽霊を見たという『現場』に来ていた。
視界が悪い。
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