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Honey Flower(本編+SS)
4
 匂いがする。
 甘くて、ちょっとオリエンタルな花の香り。
 まだ少しだけど、確かに香っている。

 月下香が、俺を受け入れはじめている。
 そう思うと、愛おしさが増して、たまらない気持ちになる。

「月下香」

 白い首筋を、舌で撫でると、月下香は露わになった小さな肩をひくんと震わせた。

「や…くすぐった…」

 前の開いたパジャマを割って、指先で肌を撫でた。
 どこに触れても体を震わせて、涙液を浮かべる月下香。
 顔を見ているだけで、俺自身の水位が上がるのを感じた。
 2日寝ていないのに、この体力はどこから来るんだろうか。

 薄紅色をした胸の粒に触れると、飛び跳ねる勢いで声を上げた。

「っ! そこは痛いから…だから、だめ…だから…」

 涙の流れ落ちる目尻に、ちゅっと音を立てて口づけた。

「可愛い。月下香、良い子だね。痛いくらい、感じるんだ…」

 小さく首を横に振る月下香の胸に、そっと指先を置く。
 触れるだけで、びくんと腰が揺れる。

(さっきから、どんどん香りが強くなってきてる…)

 小刻みに震わせる熱い体をきゅっと抱きしめてから、白い腰を浮かせて、小さな下着から脚を抜かせた。

「そんなことっ……見ないで…」

 離れていく小さな布地と脚の間に、透明な糸が引いている。
 自分も糸を目に映したのだろう、月下香は、羞恥に震えている。
 構わず、手を下腹部に下ろすと、そこは熱を持って溶けていた。
 濃厚な花の香りが、一気に広がった。

「すごい…」

 小さな熱の塊は、先の方から涙液をこぼし、後ろ側へと伝い降りていて。
 涙を辿って、密やかに閉じている場所に触れると、中から蜜が溢れていた。

(香りの元は、これか)

 月下香は両手を口元に当てて、真っ赤になって震えている。
 必死で閉じようとする膝を、あっさりと広げてやる。

「やだ…」

 前で張りつめた熱と、後ろで泣いている場所と。
 両方を、指先を使って水音を立てていく。
 小さな音が聞こえる度に、濃度の高い香りが広がって、月下香は涙粒をこぼした。

「や…いや…」

 譫言みたいに繰り返す月下香の、熱くなったこめかみに口づけた。
 唇に熱が移ってくる。

「嫌? やめる?」

 緑の目がぱっと見開いて、困ったような顔が首を横に振る。

「いや…やめるのは、いや…」

「それじゃ、どうしようか?」

 意地悪く問うと、緑の目が答に窮して、視線を惑わせる。
 笑みが漏れる。
 可愛い、月下香。

「俺に、お願いして? 『晃(アキラ)、もっとして』って」

「…アキ…?」

 荒い息を吐いて、月下香は問い返す。

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