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龍のシカバネ、それに月
4

 恥ずかしい台詞をようやくいい終えたのに。
 息を乱したまま、碧生さまはくすっと笑った。
 そんなことを私が言ったんだったね、と。

「私はね……最初から、青鷹のために……君を探していたんだよ」

 浴衣の中に手を入れて、裸の腰を抱きしめる。
 背中を撫でられると、ぞくっと甘い感覚が背筋を走った。
 舌が、柔らかい脇腹を撫でていく。

「……あっ…、青鷹さんのためにっ……て……?……」

 青鷹さんは碧生さまのために僕を探していた。
 次の東龍となる人の龍の力を増幅させるために。
 それなのに、碧生さまは青鷹さんのために探していたって、話が反対だ。

 脇腹を撫でられて、声が出そうになるのを、慌てて手の甲で押さえる。
 その手を、脇腹から離した碧生さまの手がやんわりと外した。

「やめて下さい……声が、出そうでっ……」

「良いんだよ。出して」

 力が消えつつあるのを、自分でわからないわけはないだろう?

 そんなことを言いながら、裾を割り、僕の腰を抱いて。
 熱を持ちかけた中心に、舌を這わせてきた。

「っあ!…」

 下からじわりと熱を上げてくるように、ねっとりと舐めあげられて、腰が震える。

「良い声。……もっとだよ。
匣姫を探していたのは、青鷹のため。次の東龍頭領のため……」

「…んんっ……ぅ…や…」

 口を覆いたい手を押さえられて。
 唇をつぐんでいるのにも限界がある。

 溶けかけてるみたいに熱い舌が、僕を包んで絡みつく。
 じゅ、と聞こえる音がたまらなく恥ずかしいのと。
 熱が下腹部を包んで、もっと奥に触れて欲しいと思ってしまう。
 前よりも後ろから快楽を得たいと思ってしまうのは、間違いなく青鷹さんの指南のせいだ。

「青鷹を捜索に出した後、何人も応援で送ったんだ。彼らはすぐ帰ってきた。青鷹から返り討ちに遭ってね。この話の意味、わかるかな……」

「――っ……! あ、あああっ……!」

 碧生さまの指が、なんの予期もなく後孔に入ってきて。
 まっすぐにいいところを突いた。
 そんなの、予想してなくて。

「ああっ、あ…ん、あっ…は」

 声を抑えるのなんて無理で。
 声どころか唾液や涙までこぼして、腰を震わせていた。
 下腹が熱い。
中も外も。

 声がもう、我慢できない。
 堰を切って、溢れる。

「ひっ…あ…ああっ――…!!」

 突然、ドアが開いた。
 濡れた視界の真正面に、青鷹さんがいる。

「は、青鷹さ…!? ……っ!!」

 もうだめ――。
 腰を引こうとするのに、僕を口にしたまま、捕まえられて動けない。
 碧生さまの肩を押しながら、達した。
 暖かく締め付けられる口腔に。


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