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龍のシカバネ、それに月
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“特別”。
 青鷹さんと僕では、その意味合いが違う。
 青鷹さんにとっての特別は、“匣姫である”という特別だ。
 碧生さまのために役に立つという特別。

「僕……青鷹さんが好きです」

 唐突に出てしまった。
 止めきれない液体が溢れ落ちてしまったみたいに。

 吃驚したような顔をしている青鷹さんの顔を見返す目元が、じんわりと熱い。
 また、いつかみたいに「馬鹿なことを言うな」と叱られるかもしれない。
 そう思っていたのに、青鷹さんは無言だった。

「……ごめんなさい。変なこと言って。僕、先に帰りますね」

 背中を向けた時、優月、と声がしたような気がした。
 でも今さら振り返れなかった。












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あきゅろす。
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