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龍のシカバネ、それに月
7

「その辺りで、終わりにしてもらおうか」

 唇に、何か冷たくて固いものが触れた。
 瞬間つむってしまった目をゆっくり開いてみると、朝陽の顔との間に、開いた扇子がある。
 持っているのは青鷹さんだった。

「青鷹さん!」

「〜〜……対北龍布陣の話は終わったのか? 俺みたいな新人は加われない重要議題だったんだろ。あんたが抜けてきて良いのかよ?」

 扇子紙に触れた唇をこすりながら不満げに言う朝陽に、青鷹さんは憮然とした顔で「指南役に匣姫以上の重要なものはない」と言い切った。
 ……絶対そんなことないと思うけど……。
 心配が顔に出てしまったらしい僕に、青鷹さんが「代わりに蒼河を置いてきたから、大丈夫だ」と雑な打開策を言ってのけた。

「しかし、久賀もよくやるね。重要会議を抜け出してまで、優月の後追っかけたりして。“碧生さまのため”にさ」

 朝陽の言葉に、青鷹さんは何も返さず、椅子にすわっていた僕の手を引いて立ち上がらせた。

「行くぞ、優月。次の議題はおまえにも聞く必要があると、碧生さまから言われている」

「僕も?」

 また碧生さまかよ、という嘆息と一緒に、朝陽が追いかけてくる足音が聞こえた。













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あきゅろす。
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