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龍のシカバネ、それに月
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 色名を賜っていたとはいえ、18才だった碧生さまが一人、匣姫を救い出すことなど不可能だった。
 それでも、なお。

「今でも、先の匣姫さまの声が聞こえるんだろう」

「そんな……酷い」

 酷い。
 誰が? 何が?

「優月……」

──好き……だ、優月……。

 幻が聞こえるのは、僕も同じだ。

 あれは幻、遠い遠い言葉。
 匂いに惑わされていない青鷹さんなら、決して言うはずのない……。

 青鷹さん僕を抱きしめて、深い口づけをくれた。
 月が、ゆっくりと黒い雲からその光をこぼしはじめていた。











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あきゅろす。
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