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龍のシカバネ、それに月
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「……あれを、僕が……やるんですかっ……!? 無理です、絶対無理!」

「大丈夫じゃ。わしと朋哉匣姫でなんとか指導してしんぜよう。朋哉匣姫なんぞ、何度稽古をサボったことか。それでもあの程度には舞えるのじゃから」

 それはフォローになっているんだろうか。
 おばあさんはまた「大丈夫じゃ、なんとかなろう」と言って、踵を返して行った。

(灰爾さんのお見合いの心配をしてる場合じゃなくなってしまった)

 お見合い。
もし本当のことだとしても、あの灰爾さんがあっさり受けとるのかどうか。

(いや、あの人もどこまでが本気で、どこからが冗談かわからない人だからなぁ)

 そんなことを考えていると、手が、青鷹さんの大きな手に包まれた。
 見上げると、青鷹さんが微笑を浮かべていた。

「帰ろうか」

「……はい」

 今は、いい。
 これで良い。
 先に何があるかなんて、誰にもわからない。

 今は、今を生きよう。
 この人と一緒に。
 二人で、ずっと。












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