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龍のシカバネ、それに月
9
布団にもぐりこんで、枕にこめかみをつけた途端、どっと涙が溢れた。
「撫でて下さいよ、青鷹さん……」
枕に口元を押し付けて声を殺した。
あの大きな手で。
雑なかんじに、わしゃわしゃって。
いつもみたいに撫でて下さい。
言ってもどうしようもない言葉ばかりがこぼれ出て。
泣き疲れた目を少し上に上げた時、窓の端に三日月が見えた。
(三日月……)
そうだ。
『優月』。
僕は……月の名を継ぐ者だ。
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