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龍のシカバネ、それに月
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 ひなたの匂いのする胸元に頬を触れたまま、くぐもった声で言うのを、青鷹さんは僕を抱きしめる両腕にぎゅっと力を込めた。

「君の願いなら幾つでも。俺の力の及ぶ限り」

 肩口で、熱のこもった声がそんな風に言うのを、泣きたくなるような気持ちで聞いた。

「東龍後継から、3人の頭領にお願いして下さい。20年前に起こった出来事を、本当のことを、僕に聞かせて下さるように」

 誰か、どうか僕に、匣宮月哉に起こった真実を教えて下さい。
 僕が知っている、母さんに聞かされてきた父さんこそが『匣宮月哉』なのだと、誰か言って……。

 止まらなくなった嗚咽に混じって、そんなことを言った。
 母さんを亡くした時、泣いていた僕を慰めてくれたように、青鷹さんは優しかった。










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