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始まる終わり




「まだ見てないところもあるけど、こここで最後にしよっか!鍛錬場だよ。ここで戦闘シミュレーションをしたり、組み手したり。このとなりにはジムとかがあるんだよ!」

「....設備が良いな」

ただ広いだけのような何もない鍛錬場は、修練に丁度よい空間だった。


防音設備も施されているらしく、環境的には最高だ。

さすが、金がかかっているな


「あ、こっちがシャワールームね」

銀がノックもせずに勢いよくドアを開けた

扉に使用中というプレートがかけてあったのにも気づかずに。


シャワールームには、


「あ....」


全裸の女子がバスタオルで体を拭いていた

「あれー?ごめんねぇ、いたんだぁ、藍(あい)ちゃん。」

「....使用中って、札かけたよ」

「見てなかっ....」

パタン。

とりあえず銀の腕を引っ張って扉を閉める。


「どうしたのぉ?」

「いや、これは....ダメだろ」

全裸状態で普通に話しだす銀も銀だが、追い出さないあの子もあの子だ


こんなところで、本当にやっていけるんだろうか....

ハァ、とため息をついた


「あ、レンレン。あの子も6人目だよぉ。藍ちゃんっていうの。」


「え?今の人が....?」


戸惑った。


一瞬しか見ていないから、確信しては言えないが、

どう考えても華奢で、腕なんか折れてしまいそうで、

なにより、"女性"が、戦争で戦うのか、と。


ガチャ


「....はいっていいよ」


服をちゃんと着た藍がでてきた。


「ううん、シャワールーム入りたいわけじゃないんだぁー。場所案内してただけで。」


藍はちら、と俺の方を見て

「....はじめまして」無表情で返事をした。


「今日から、0番隊に配属された紅蓮と言う。藍...でいいか?」

「...うん。」

「あの、さっきはすまなかった」

「....別に。こんなの、いつもだから、慣れた....」

....ここの男は、どれだけデリカシーがないんだ

衝動的に、銀の頭を叩く

「いたっ!えぇぇ!?ひどい、レンレンのばか!」

「....かわいそう」

「....藍、お前もお前だぞ....」


こいつら、どんな教育を受けたのか、疑いたくなるんだが。


「とりあえずー、戦闘用軍人は全員紹介終わり!任務は大体この6人の中の誰かとペアで行動するからさ、仲良くしよぉね?」


「分かった。努力する」


「レンレンかったいなぁー」

お堅い、というのはいままでよく言われたが、自覚はあまりない。

「そろそろかなぁー」

「なにがだ?」

「今日はぁ、レンレンの歓迎会をやるんだよ!」

「聞いていないぞ」

「言ってないもん♪」


そんな風に、接してくれるなんて、意外だと思った


0番隊にいる人なんて、血も涙もない人殺し好きの、異常者だろうと。



勘違いしていた


「レンレン、はやくおいでよ!」




少し、気はずかしいような、胸が弾んだような、変な感じがした。








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