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「な、なんでも」
言い訳が思いつかへんかったから、適当にごまかした。
兄ちゃんは『げー!』とか『ぬあー』とか変な声を出してる。
「ど、どしたん?」
「頼むから!お前はあの女と関わるなよ?」
「え?」
「可愛いまひるがあんな変な女に影響されるとか耐えられん〜」
今度はうなだれ始めた兄ちゃん。
変な、人なん…?
「とりあえず生徒会メンバーに近づくなぁ」
でもな、兄ちゃん?
そこまで言われると
逆に気になってしまうのが人間ってもんなんよ。
誰かに聞いてみよー、うけけ
なんて思いながら歩いていた。
「教室わかるか?着いて行こか?」
「いや、大丈夫やって兄ちゃん。一人で行けるから…」
「なんでやねん、遠慮すんな。」
「いや、遠慮してるんじゃなくて…」
……10分ほど前から。
ずっとこんな会話を繰り返してます。
「な、だからまひる…」
「………い」
「え?」
「いい加減しつこいねん、アホ兄貴!!」
手を上げると、うまく兄ちゃんの鳩尾に入り、
呻いて倒れ込んだ兄ちゃんを置いて歩きだした。
……ほんまに。
シスコンにも程があるわ!
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